事例から学ぶ地方自治体のプロモーション。PR動画の成功例16選

地方自治体のプロモーションとして、PR動画はもはや定番となってきています。
いわゆる「ご当地PR動画」と呼ばれるものですが、動画は作って終わりではありません。
動画を作ることで、その地方に興味を持つ人が増えて初めて成功といえます。
PR動画の制作は比較的低コストでできるので、昨今では「とりあえずPR動画を作ろう」と考える地方自治体が少なくありません。
しかしそれでは結局作っただけで終わりになることも考えられます。
そこで今回は、PR動画の成功例から地方自治体のプロモーションを学ぶために、PR動画の成功例を16選紹介します。
目次
- 1 話題になった地方自治体のプロモーション・PR動画16選
- 1.1 ①COME ON!関門!(北九州市・下関市)
- 1.2 ②100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画! (大分県別府市)
- 1.3 ③1000人クッキーダンス(埼玉県久喜市)
- 1.4 ④もしものハナシ(岐阜県関市)
- 1.5 ⑤小諸市PR動画第1弾 小諸がアツ・イー!本篇(長野県小諸市)
- 1.6 ⑥W・R・S・B(佐賀県佐賀市)
- 1.7 ⑦I.N.K. 〜カモンベイベー栗原〜(宮城県栗原市)
- 1.8 ⑧ンダモシタン小林(宮崎県小林市)
- 1.9 ⑨シンフロ(大分県)
- 1.10 ⑩BIRD’S EYE VIEW OF KAGOSHIMA(鹿児島県)
- 1.11 ⑪Lady Kaga(レディー・カガ)(石川県加賀市)
- 1.12 ⑫Go! Hatto 登米無双(宮城県登米市)
- 1.13 ⑬SAGEMON GIRLS(福岡県柳川市)
- 1.14 ⑭おかえりなさい(和歌山県和歌山市)
- 1.15 ⑮マッツとヤンマとモブリさん(愛媛県松山市)
- 1.16 ⑯ 【ゲーム実況動画編】観光アクションゲーム「宇治市〜宇治茶と源氏物語のまち〜」(京都府宇治市)
- 2 地方プロモーションに動画はもはや不可欠な存在
話題になった地方自治体のプロモーション・PR動画16選
地方自治体がプロモーション動画・PR動画を制作するのは、観光客などの交流人口や移住人口を増やすのが目的です。
とはいえそういったアクションを起こすには、まず地方自治体の知名度をあげ、興味をもってもらわなければスタートラインにもたてません。
そこでここでは、話題になり興味をひくことに成功したプロモーション・PR動画を16選紹介します。
①COME ON!関門!(北九州市・下関市)
本州と九州の間にある関門海峡に謎の巨大怪獣「カイセンドン」が現れる様子をパニックムービー風に描いた、北九州市と下関市のPR動画です。
かなりクオリティが高いのに巨大怪獣カイセンドンが地元の名産物フグ、タコ、カニからできている点や、まさかのオチなど、どこかしらコミカルでユーモラスなのが魅力。
監督や怪獣CGは『シン・ゴジラ』を手掛けたスタッフが手掛けている点も話題を呼び、自治体動画としては異例の1300万回越えとなり、現在も視聴数は伸び続けています。
②100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画! (大分県別府市)
「100万回再生されたら本当に温浴施設を作る」と公言した動画を発表したことで話題になったのが大分県別府市のPR動画。
大分県別府市はたくさん温泉があることで知られていますが、動画ではなんと遊園地と温浴施設をかけあわせたユニークな施設が紹介されています。
リアルと連動する点が話題を呼び、なんとたったの3日で100万再生を達成してしまいました。
その後はクラウドファンディングなどで資金を集め、実際に動画の施設を3日間限定でオープンさせたそうです。
動画の内容もそうですが、リアルと連動させた点がうまいプロモーションです。
③1000人クッキーダンス(埼玉県久喜市)
数字のインパクトで話題を呼んだのが埼玉県久喜市のPR動画です。
久喜市にちなみ、クッキーダンスを総勢3058人で踊っています。
BGMは市の歌をダンス調にアレンジしたもので、久喜市民にはなじみのある楽しいメロディーになっています。
有名ユーチューバーの起用も話題を呼び、60万回以上視聴されました。
またPR動画のダンスを「踊ってみた」人も多く、投稿動画は60件以上にのぼりました。
話題の持続性が高い点も地方自治体のプロモーションとして優れているポイントです。
④もしものハナシ(岐阜県関市)
特産品に焦点をあててPR動画を作ったのが岐阜県関市です。
岐阜県関市は刃物のまちとして知られています。
もし刃物が日常生活になかったら…?という設定で進む動画はホラー風味でとにかくシュール。
食材を手刀で切ろうとする主婦、ガムテープでひげを剃ろうとする男性、髪をかみちぎろうとする美容師、爪が切れなくてファンに突き刺さってしまうアイドル…
一見地方自治体のPR動画に見えない、ひねりの聞いたプロモーションが話題を呼び、40万回以上再生されました。
⑤小諸市PR動画第1弾 小諸がアツ・イー!本篇(長野県小諸市)
最近の地方自治体のプロモーションにはプロの手が入っていることが大半です。
そんな中、長野県小諸市は完成度の「低すぎる」PR動画を制作して話題になりました。
長野県小諸市のPR動画は製作費わずか9500円。
脚本、撮影、編集、出演はすべて市職員が担当し、市長も自ら登場しています。
なんともいえぬ手作り感と素人感が逆に話題を呼び、SNS上で話題になったり多くのまとめサイトで取り上げられたりしました。
お金をかけるばかりが正解じゃないと教えてくれるプロモーション事例です。
⑥W・R・S・B(佐賀県佐賀市)
ゆるキャラやご当地キャラなど、ゆるめのプロモーションが全盛だった時期に、あえてホラー風のPR動画を投稿したのが佐賀県佐賀市です。
エイリアンのような見た目をもつ魚、「ワラスボ」をテーマにして、パニック映画の予告風に動画を仕上げました。
完成度の高さとあからさまでないPRが興味をひくプロモーションで、30万回以上再生され話題となりました。
⑦I.N.K. 〜カモンベイベー栗原〜(宮城県栗原市)
「I.N.K. 〜カモンベイベー栗原〜」は公式のPR動画ではないのですが、地方自治体に注目させるきっかけとなった動画です。
動画投稿者のパンダライオンさんは宮城県栗原市の出身。
宮城県栗原市の「田舎あるある」を大ヒット曲「U.S.A.」の替え歌で歌い上げています。
軽快なビートとのどかな田園風景のミスマッチが妙に癖になり、つい何度も見てしまう動画になっています。
人気曲をうまく活用した形で、320万回以上再生されました。
⑧ンダモシタン小林(宮崎県小林市)
宮城県小林市は一見普通のPR動画に見せかけて、あっと驚くオチを用意する巧みなプロモーション動画を制作しました。
宮城県小林市にやってきたフランス人男性がフランス語で小林市の魅力を語る…のかと思いきや、実はすべて地元の方言、西諸弁だったというオチ。
この仕掛けにより何回も動画を再生したくなる人が続出し、270万回以上再生、各種まとめサイトでの取り上げ多数と非常に話題になりました。
動画自体も宮城県小林市の魅力をよく伝えており、よくできた地方自治体のプロモーション例です。
⑨シンフロ(大分県)
温泉県をアピールしたい大分県では、プロのシンクロチームが温泉でシンクロを踊る驚きの動画を制作しました。
シンクロの美しさ、そもそも温泉でシンクロができるのかという興味、大分県の様々な音をサンプリングして作ったBGMなど、動画の魅力は盛りだくさん。
動画としてのユニークさとオーソドックスさが同居した、うまいプロモーションです。
⑩BIRD’S EYE VIEW OF KAGOSHIMA(鹿児島県)
正統派のプロモーションとして注目を集めているのが鹿児島県のPR動画。
鹿児島県の文化や自然を映像で伝える高画質な動画の数々は、オーソドックスながらも圧倒的な美しさで強い訴求力を持ち、再生回数を伸ばし続けています。
特徴的なのが海外からの視聴者やコメントが多いこと。
本来ワールドワイドなYouTubeを最大限活用した事例といえるでしょう。
一風変わったプロモーションが増えてきている中、物事の本質に焦点を当てたプロモーションとして貴重な例です。
⑪Lady Kaga(レディー・カガ)(石川県加賀市)
地域の女性に焦点を当ててプロモーションを行っているのが石川県加賀市です。
加賀市の女性100人を、世界的スターの「レディー・ガガ」にひっかけて「レディー・カガ」と任命。
くまもんをおもてなししたり、海外に出張したりと様々な活動が動画を通しても紹介されています。
動画単体よりもトータルでの活動が話題を呼んだプロモーションです。
⑫Go! Hatto 登米無双(宮城県登米市)
宮城県登米市が制作したPR動画では、一見普通のおばあちゃんが活躍する爽快なアクション映像にしたてて話題を呼びました。
宮城県登米市の郷土料理「はっと」と「御法度」をかけているだけなのかと思いきや、実は実際にあった出来事が下敷きになっているのだそう。
おばあちゃんとアクションという意外な掛け合わせの面白さが光る動画で、第6回観光映像大賞受賞作品としても注目を浴びました。
⑬SAGEMON GIRLS(福岡県柳川市)
福岡県柳川市は、かわいい女の子のダンスで市内の名所と名産品を紹介する、オーソドックスなプロモーションを展開しました。
柳川市の伝統的なつるし雛「さげもん」にちなんだ「SAGEMON GIRLS」がかわいらしい衣装でダンスを踊ります。
女の子のかわいさというオーソドックスな魅力で動画公開当初から話題になっていましたが、踊っている女の子のうち1人が後々タレント・女優としてデビューしたことでますます話題になりました。
⑭おかえりなさい(和歌山県和歌山市)
和歌山県和歌山市は地元の和歌山大学と提携して移住を促進するプロモーションにPR動画を作成しました。
和歌山市出身の男性が都会出身の女性を連れて和歌山市に帰り、魅力を紹介するという、派手さはないもののしみじみとしみいる動画に仕上がっています。
大学と連携して制作したのが特筆すべき点で、他の動画のように派手さや奇抜な話題性はないものの、様々なまとめで紹介されることが多い点で成功した地方自治体のプロモーションといえるでしょう。
⑮マッツとヤンマとモブリさん(愛媛県松山市)
アニメーションで市のプロモーションを行ったのが愛媛県松山市です。
愛媛県松山市出身の友近さんやEXILE白濱亜嵐さん、歌手の水樹奈々さんなど豪華メンバーを声優として起用。
クールジャパンのイメージとして浸透しているアニメの手法を起用したのが国際的な評価にもつながり、アジア太平洋広告祭プロモロータス ファイナリスト、Short Short Film Festival & Asia観光映像大賞特別賞を受賞しました。
字幕も5か国対応で、グローバル視点をもったPR動画の好例といえます。
⑯ 【ゲーム実況動画編】観光アクションゲーム「宇治市〜宇治茶と源氏物語のまち〜」(京都府宇治市)
ゲームの実況とユニークな形でPR動画を作成したのが京都府宇治市です。
ゲームを作成して実況してもらう形のプロモーションは他に類を見ません。
ゲーム内では宇治市の観光資源が丁寧に紹介されており、興味を持つきっかけと実況による動画の面白さを両立しています。
拡散したくなる話題性があり、14万回以上再生されました。
地方プロモーションに動画はもはや不可欠な存在
地方プロモーションに動画を作成した事例を16選紹介しました。
メディアの中でYouTubeやSNSの占める割合はますます高まることが予想されており、もはや動画はプロモーション手法として必須となっています。
今回紹介した動画を参考にしてプロモーションを考えてみてくださいね。