TOPICS

トピックス

地方創生

地域に稼げる力を!地方創生への企業の取り組み事例

里山

はじめに

地方都市

少子高齢化が進行する中、地方の衰退を何とか止めようとする努力が続けられています。
地域の活力が失われていけば、いずれ国全体が衰えていくのは避けられません。

待ったなしの状況にあって自治体や地域の人たちと連携する企業の存在は、地域活性化の大きな柱として期待が寄せられています。

しかし地方の内外を問わず、地域創生への参画の意志をもつ企業は多いものの、どのようにして取り組んでいけば良いのかわからずにいるという会社もあります。

しっかりした方向性がないままに地方創生の声を上げても、その地域に適した方法でなければ尻すぼみに終わりかねません。

一方で独自の視点から自社ができる方法によって地方創生に参加し、すでに成果を上げている企業も多数見られます。
今後の地方創生へのヒントとなる、企業の取り組み事例を紹介していきましょう。

地方創生に関わる企業の意識

意識

地方創生に対して、企業側では一般的にどのような意識を持っているのでしょうか。企業の地方創生への関心と、国からのサポートについて確認しておきましょう。

①多くの企業が地方創生に関心

帝国データバンクにより新潟県内の企業に実施された調査では、6割近くが地方創生に関心を寄せているという結果が得られています。

特に不動産や小売り・サービスなどの業界では関心が高い傾向にあり、消費者動向と地方創生に強い関連性を感じているようです。

地域の特性から消費者ニーズを掘り起こし、地場産業を活かして活性化ができるのがもっとも理想的という意見も見られました。

ただ地方創生を実現するためには企業の果たす役割が重要であるという認識を持ちながらも、まだ着手できていない企業がほとんどであることも事実です。

また地方創生に取り組むためには、地方の中小企業の状態を良くするための景気対策が先決というシビアな意見も聞かれます。

地方創生への企業の関心度は、事業規模および地域で差が見られます。
大企業では7割が「関心あり」とする一方、中小企業では半数にとどまっています。

全国の都道府県のほとんどは5~7割が地方創生に関心を持っていますが、中には興味が5割以下という地方もあります。

地方創生は中央と地方、そして地方同士の連携が重要です。
各都道府県内、また国内全域で地方創生への意識を高めていくことが求められます。

②地方創生への期待値

企業が地域創生に求めるものとして、「若い世代の経済的安定」を最重要課題に挙げる声が多く聞かれます。

大都市圏への若年層の流出は、地域の過疎化を促進し、地方全体の衰退へとつながります。
若い世代への支援を重視し、地元での仕事を創出していくことが、人口減少への有効策です。

また日本経済の停滞期に生まれ育った世代には、消費行動が消極的な傾向が見られます。
将来への懸念を無くしていかなければ、地域経済が停滞する一方です。

長期的に地方創生を考えていくためには、若い人が希望を持てる地元に変えていかなければならないことを、企業も痛感しています。

③国も地元企業の事業をサポート

国も地域経済を支える、地方の中小企業への施策を強化しています。

「地方の中核となる中堅・中小企業への支援パッケージ」では、事業継承や人材の育成など、地方の企業が抱える課題解決へのサポートを行っています。

またODAを活用し、中小企業の海外展開を支援するなどして、国内需要が縮小化していく中での販路拡大を図ります。

その他、公的研究機関との共同研究を後押し、地域特産品の開発地域に特化したサービスの掘り起こしにつなげようという動きもあります。

ただこうした取り組みは一定の効果が期待できるものの、国のサポートだけでは地域の魅力の向上が難しいと言わざるを得ません。

ひとつの企業だけが力を付けても、移住や定住のための策とは言えません。

地域全体が活性化するためには企業と自治体が地方創生の方向性を一致させ、しっかりと連携しながら取り組んでいくことが必要です。

人・起業家を育てる地方創生への企業の取り組み事例

人の手

地方創生に尽力する企業の中で、「人」を主題とした取り組み事例を見ていきましょう。

取り組み事例①エーゼロ株式会社

エーゼロ株式会社の社名は、森の緑を支える「A0層」(エーゼロ層)に由来します。
自然の循環の元となる「A0層」のように地域社会の循環を支える企業を目指し、地方創生に取り組んでいます。

現在行っているのが岡山県西粟倉村の役場と連携し、地元の起業家を育てる「ローカルベンチャー支援事業」。

人材育成から新たな事業の創出、雇用の促進、地場資源の掘り起こしなど、地域活性化に期待が集まっています。

また役場と森林の所有者、森林組合と連携し、木材の生産から加工、流通までを行う仕組みづくりを実施しています。

西粟倉村から誕生したベンチャー企業は2014年時点ですでに12社を数え、着実に移住者の増加にも貢献しています。

「エーゼロ株式会社」の取り組みを詳しく知りたい方はこちら

取り組み事例②株式会社小松製作所

世界レベルでのトップシェアを誇る建設機器大手の小松製作所も、地方創生事業を積極的に進めています。

石川県小松市に設立された「コマツウェイ総合研修センタ」は、全国の教育機能を集結した施設です。
設立と同時に、東京から約150名の社員を移転。

本社機能の分散化を図りながら、地方創生への取り組みとしています。

さらに2011年度からは毎年地方採用を実施しており、各地域での人材創出と育成を促進するなど、事業運営との継続な結びつきを実現しています。

また同じく2011年に開設した「こまつの杜」は、世界最大級の大型ダンプなどが展示された地域交流拠点として、毎年多くの子どもたちが訪れる人気スポットです。

理科、ものづくり、里山体験などを通じ、産業への理解と地域活性化を高める役割を果たしています。

「株式会社小松製作所」の取り組みを詳しく知りたい方はこちら

取り組み事例③株式会社アイエスエフネット

ITインフラの導入・運用を本業とする株式会社アイエスエフネットは、神奈川県川崎市と連携し、生活保護受給者の自立支援を実施しています。

生活保護受給者を同社が雇用し社会復帰をサポートするという、直接的な支援です。

しかし生活保護を受けている人の中には、勤労意欲が低下してなかなか社会になじめないというケースもあり、当初は苦労があったようです。

「就労リハビリ」という形で短時間から無理なく出社してもらい、軽作業などを行いながら徐々にフルタイムへとシフトするといった工夫を重ね、地方創生事業として継続しています。

これまでに数百名の社会復帰を支援し、生活保護から納税する側へと送り出すことに成功してきました。

「株式会社アイエスエフネット」の取り組みについて詳しく知りたい方はこちら

地域資源を活用した地方創生への企業の取り組み事例

釣り

地方創生に尽力する企業の中で、さまざまな地域資源を活用した取り組み事例を紹介します。

取り組み事例①中村ブレイス株式会社

中村ブレイス株式会社は島根県太田市を拠点としながら、義肢装具や人工の器官の製作で世界的に高い評価を得る企業です。

太田市大森町一帯は、石見銀山遺跡を中心に2007年、ユネスコの世界遺産に登録されました。
しかしそれまでは鉱山の閉山以降、町は荒廃する一方だったと言います。

1970年代にUターンした地元出身者の同社会長大森氏は、増え続ける空き家の景観に心を傷めました。
そこから補助金・融資には一切頼らず、自力で古民家の再生を決意します。

コツコツと継続すること40年余り。
現在までに約60軒の建物を修復し、迎賓館兼資料館、ゲストハウス、レストラン、喫茶店などに活用しています。

特に注目を集めたのは、旧郵便局舎を活用した日本一小さなオペラハウス「大森座」です。
地域PRの目玉となり、国際的な歌手のリサイタルなど数多くのステージが実現します。

さらに修復された古民家を住宅して住む人も増え、社員を含めた人口増に貢献しています。

「中村ブレイス株式会社」の取り組みについて詳しく知りたい方はこちら

取り組み事例②サイファー・テック株式会社

ITセキュリティを専門とするサイファー・テック株式会社には東京以外、徳島県美波町にもうひとつの拠点があります。

同社のコンセプトは、「自然と仕事の共存によるワークライフバランスの実現」。
サテライトオフィス「美波Lab」の設置により、生活や趣味を楽しみながら仕事をする環境を提供しています。

同社が提唱する「半×半IT」とは、「半サーフィンと半IT」「半釣りと半IT」といった意味。
つまり趣味と仕事を半々にかけ合わせた生活を指します。

この取り組み以降、苦労をしていた求人にエンジニアが殺到し、人材確保と事業運営も好調です。

同社の特徴としては、社員と地域住民との交流の徹底を図ることにあります。
いくら地方にオフィスを置いても、よそもの意識では意味がありません。

社員の消防団や自治体活動、阿波踊り、農作業への参加とともに、地域住民のためのIT活用講座を開催するなど、「そこに生きる会社」としての活動を実施しています。

地方創生を根付かせるためには、生活者としての社員の在り方が不可欠であることを示す事例と言えるでしょう。

「サイファー・テック株式会社」の取り組みについて詳しく知りたい方はこちら

取り組み事例③株式会社さとゆめ

株式会社さとゆめが目指すのは、地域と「伴走する」コンサルティングです。

外部からの応援ではなく、一緒に走ることにより見えるものを救い上げ、地域活性化へとつなげていきます。

具体的には東日本大震災の被災地で育てたオーガニックコットンの商品化や、山梨県小菅村の分散型古民家ホテルなど、地域に根ざした商品やサービスの開発に携わってきました。

道の駅やアンテナショップのプロデュース、ユニークなツーリズムの提案など、あらゆる分野の地域振興策に貢献しています。

持続可能な地方創生のしくみづくり、住民の夢を形にするアイデアを提供する企業として地域に寄り添います。

「株式会社さとゆめ」の取り組みについて詳しく知りたい方はこちら

取り組み事例④霧島酒造株式会社

「地域に根差し、地域とともに発展する」という経営方針を掲げる霧島酒造株式会社では、
南九州産の原材料にこだわった製品づくりで地域貢献を継続してきました。

事業運営が企業側からの一方的なものとならないよう、生産農家と定期的に対面し意見交換や勉強会を実施するなど、生産者や地元とのつながりを強化しています。

また地域全体を盛り上げるために自治体と連携して、ふるさと納税を活用したPRを実施。
他の特産品企業との包括連携協定を結ぶことで、全国の消費者に向けた地元の食材の総合的なアピールを目指しています。

すでに十分な知名度をもつ同社ですが、地方創生への意欲はベンチャー企業にも負けていません。

「霧島酒造株式会社」の取り組みについて詳しく知りたい方はこちら

まとめ

地方の衰退が日本社会に与える打撃は、計り知れません。

各地の消費者を相手に事業を行う企業にとって、地方創生は無視できない課題です。
大手企業・地元中小企業を問わず大きな関心を寄せていることからも、どれだけの重要性をもっているのかが良くわかります。

取り組みを順調に進めている事例からは、自治体や地元の人との連携がカギとなっているのが見て取れます。

さらに自社の持つアイデアがその土地の現状に合っているのか、地元のニーズとの整合性があるのかといった十分な検討が、実現へのポイントとなりそうです。

もっと伸ばそう!自治体ビジネス無料資料ダウンロード

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

もっと伸ばそう!自治体ビジネス無料資料ダウンロード