プロポーザル

保育園関連プロポーザルの種類と攻略のポイント

国は待機児童解消に向けた取り組みを進めてきましたが、女性の就業率の上昇等に伴い、ますます保育の利用申込者数の増加が続いています。

このため、待機児童解消の取り組みを一層強化、推進していくため、2017年6月に「子育て安心プラン」を策定し、2020年度末までに待機児童をゼロとし、2022年度末までに女性就業率80%に対応できる32万人分の保育の受け皿を整備することとしました。

保育関連のプロポーザルも多種多様であり、どれに参入出来るか分かりづらい!なんて企業さんも多いかと思います。

今回は、保育関連のプロポーザル案件には、どんな種類があるの?攻略のポイントは?などについて、お答えしていきたいと思います。

保育園関連プロポーザル案件の種類は?

保育園関連のプロポーザル案件にも様々な種類があります。

案件によって、プロポーザルに参加出来る企業の業種も異なるので、どんな種類があるかを知り、自社で取り組める案件を見極めましょう!

保育園給食調理業務委託

保育園給食調理業務委託

まず、保育園の給食についてです。民間委託を実施している市区町村も多く、案件数としては多いですね。

保育給食は、衛生管理の徹底やアレルギー及び離乳食等への対応など、子どもに安心・安全で衛生的な食事を安定的に提供できる技術や知識、実績が問われます。

<主な審査基準>

・衛生管理、調理技術、食育への取り組みなど

・食物アレルギー対応や配慮食等について

・公立・民間等の他の施設の給食調理業務委託実績

・人員配置や研修などへの取り組み

・事故発生時の対応や改善策

この中でも、職員の教育や研修の充実、食中毒や異物混入等の事故予防及び対応などの危機管理体制、衛生管理面については、幼い子どもを預かる保育園という特性から、特に審査における得点が高い傾向にあるので、充実した対応が求められます。

他にも、各自治体によって特に重要視している項目もあるので、プロポーザル実施要領や仕様書をしっかりと確認しましょう。

保育園運営業務委託

新たに保育園を増やしたり、今ある保育園についても、保育の効率的な運営や質の向上を目的として、運営業務を民間に委託するものです。

<主な審査基準>

・保育園運営方針

運営方針が明確であり、市区町村の理念と合致しているかは最低限押さえてください!

・保育の質の確保

当たり前ですが、子どもの視点に立った優良な保育を実施しているかどうかも問われます。

・職員配置、研修体制など

計画的な職員採用・人材育成により、質の高い職員が確保されるか、保育現場や客観的な外部意見の把握・反映がされているかなども重要なポイントです。

・健康、安全管理について

子育てには健康や安全管理は基本中の基本です!

発育に配慮したメニュー、アレルギー・宗教などに対する配慮、長時間保育児対応、食育計画がなされるかなどしっかり考慮しましょう。

防災、災害対策マニュアルの整備等。

・児童虐待防止、苦情対応体制など

子どもの安全、健康、人権や尊厳を考慮した保育および運営を実施しているか、保護者との十分な連携確保策が確立されているか、地域との連携がとれているかなど。

・財務状況や委託費用について

資金調達、収支計画が適切であるか、財務状況は良好であるかなど。

いかに、安心、安全に運営出来るかが重視されるので、各市区町村が実施要領で定める運営条件を満たした上で、上記項目について適切に整備できる事業者を目指しましょう。

保育園新築工事及び再整備設計業務委託

既存の保育園の構造躯体や設備等の老朽化の状況により、修繕ではなく新築されるケースもあり、園舎の新築工事に係る設計業務の設計者を選定する為などのプロポーザル案件です。

一級建築士事務所の登録を受けたり、雇用関係にある一級建築士を技術者として配置出来ることなどが要件になってくるので、参入できる業者は限られてきますね。

<主な審査基準>

・これまでの実績など

保育園など同種及び類似施設の設計業務の実績は、失敗の出来ない自治体にとっては安心に繋がります。

・配置技術者の技術力

同種・類似業務の実績や携わった立場、受賞歴などを評価するケースがあります。

・業務に関する実施方針

業務理解度や、地域理解度、地元雇用や地域経済への活性化に対する配慮など。

・保育環境に対する提案

児童や職員の利用しやすさなどの利便性や、楽しめる空間構成や安全性、送迎などです。

・防災に関する対応

耐震安全性や避難所機能などを最低限備える必要があり、また災害が起きた際の

業務継続や、水道、電気などのライフラインについても重要視されます。

・経済性など

建築費の縮減や、保育園の維持管理手法やコストの縮減に努めているかどうかです。

過去の同種業務の実績や、技術者の配置を最低限の前提として、子どもを育てる環境としての、利便性や安全性、経済性が問われます。

実績が無い中でのチャレンジは、ハードルが高いかもしれませんね。

保育園改築設計業務委託

事例で見る保育園プロポーザルの攻略のポイント

保育園の老朽化や機能強化などに伴い、既存建物を改修する案件です。

基本的には新築案件に近いですが、保育園の運営を継続しながらの改修工事になることもあり、児童の安全はもちろん、保育事業への影響についても最小限となるよう配慮する必要があります。

<主な審査基準>

・業務の取り組み体制や工程計画の妥当性など

・設計の基本方針など

保育所の安全性や利便性が向上する点など、児童の安全対策及び保育業務への配慮がなされているかどうかなど。

・改修に係るコスト削減の取り組みなど

 案件によっては、屋外遊具の設置や、送迎バスの車庫の設置なども含まれるケースもあります。
どちらも児童の安全性確保や、メンテナンス等が実施しやすいなどが求められます。

その他

保育関連のプロポーザルでは、上記のように保育園の運営や設計業務が中心となりますが、異なる業務も一部ありますので、特徴的な案件を挙げてみました。

山口市【平成31年度保育士等人材確保事業「働き方見直し実践研修」業務にかかる公募型プロポーザル】

職場全体のワークライフバランスを推進し、子育てや介護、すべての職員が安心していききと働くことができるよう職場の業務改善や効率化を図るとともに、保育の質を向上させることを目的にしたものです。

業務の概要としては、対象保育園内の現状分析から、課題の整理と問題の解決方法、今後の進め方等についてのコンサルティングの実施です。

また、その成果などを共有するための研修会等も含まれます。

岐阜県【平成31年度保育士等キャリアアップ研修実施業務プロポーザル】

保育園現場におけるリーダー的職員の育成を図るため、研修計画の作成、実施、修了者名簿の作成や管理を行うものです。

研修分野は、乳児・幼児保育や、食育・アレルギー対応など、専門分野研修及びマネジメント研修などです。

このように、保育園関連のプロポーザルにも様々な業務があるので、幅広い業種の企業が参入できるチャンスはあると言えるでしょう。

保育園プロポーザルに勝つために知っておくべき関連施策とは

保育関連のプロポーザルが増えている背景には、国が推し進めている、子育て関連の施策があります。

プロポーザルに勝つためには、国や地方自治体が抱えている子育て環境の現状及び課題を把握し、解決するための提案を的確にする必要があります。

その為にも、子育てに関する施策を確認し、国や地方自治体が目指す方向性を理解しておきましょう。

内閣府「子ども・子育て支援新制度」について

内閣府「子ども・子育て支援新制度」について

子ども・子育て支援新制度」とは、平成24年8月に成立した「子ども・子育て支援法」、「認定こども園法の一部改正」、「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の子ども・子育て関連3法に基づく制度のことをいいます。

都市部における待機児童解消や、子どもの数が減少傾向にある地域における保育機能の確保に対応し、また、教育・保育施設を利用する子どもの家庭だけでなく、在宅の子育て家庭を含むすべての家庭及び子どもを対象とする事業として、市町村が地域の実情に応じて実施するものです。

地域のニーズに基づき計画を策定、給付・事業を実施するのは、基礎自治体である市町村であり、国や都道府県は実施主体の市町村を支えるという位置づけとなっています。

参考サイト:内閣府「子育て安心プラン」

女性の就業率の増加に伴い、保育の受け皿不足による待機児童の割合も依然として多く、仕事から離れざるを得ない女性がまだまだ多いのが現状です。

また、都市部においても、人口流入に伴う保育園用地の確保が困難な状況が続いています。

その中で、2020年度末までに待機児童をゼロとし、2022年度末までに女性就業率80%に対応できる約32万人分の受け皿整備を目指すというものです。

具体的には、既存施設の活用や多様な保育を推進するための保育の受け皿の拡大や、それを支える保育人材確保などです。

もちろん、保育の質の確保や保育と連携した働き方改革なども含めて推進するものです。

このように、少子高齢化が進む日本において、国全体で子育て環境の整備に取り組んでいます。
保育関連のプロポーザルに参入する場合は、最低限関係する施策を確認し、把握した上で、挑みましょう。

事例で見る保育園プロポーザルの攻略のポイント

事例で見る保育園プロポーザルの攻略のポイント

今回は、「川崎市中原保育園改築設計業務委託プロポーザル」を例にして攻略ポイントを解説していきます。

ポイント① プロポーザル仕様書・説明書を読んでみよう

案件に取り組むかを判断するのに重要なのが、プロポーザルの仕様書や説明書です。
参加資格を満たしているかどうか、スケジュール的に提案準備を万全に出来るかどうか等をまず確認しましょう。

<参加資格要件>

当案件の場合、応募者の参加資格に加え、協力者又は協力事業所の資格要件もありますので、注意が必要です。

<スケジュール>

スケジュールが公告及び説明書の配布が2月6日で、技術提案書の提出が21日となっています。
約2週間で準備が必要なので、案件業務に集中して取り組める職場の体制を取らないと、準備が間に合わない可能性も出てきます。

<技術提案書>

決まった課題に対しての提案となっています。

表現方法は文章が基本となっており、写真やイラストなどはあくまで文章を補完するための最小限のものと記載されており、評価の対象となるので、これを守る必要があります。

ポイント② 意外と重要!質問事項と回答

仕様書や説明書だけでは確認できない部分や、自社にとって不利(競合にとって有利)になるかもしれない箇所がある場合は、質問によってクリアにしておくと、戦いやすくなります。

「〇〇を図る」や「〇〇を推進する」など具体性を欠くあいまいな表現が使われている部分は必ず確認をしましょう。

ポイント③ 川崎市総合計画を確認しよう

川崎市では平成30年度から4年間を計画期間とする川崎市総合計画第2期実施計画を策定しています。

この中には、「基本政策2 子どもを安心して育てることのできるふるさとづくり」として、子育てに関する地域の現状や課題、その課題に対しての取り組みの方向性などが書かれています。

これらを提案書に盛り込むことで、より自治体の課題解決のパートナーとして選ばれやすくなります。

ポイント④ 競合他社の動向を知ろう

前年度に類似事業を実施している場合は、受託業者は必ずエントリーすると考えて良いでしょう。当案件でも、前年に類似案件があり、最優秀者、優秀者が入れ替わっているのが確認できます。

もし今後川崎市で類似案件が出る場合は、この2社はかなりの確率で参加すると考えられます。

過去に類似案件がある場合は、情報開示請求で競合他社の企画提案書を入手しておきましょう。
そこから、競合他社が何を強みに勝負してくるかを予測し、仮説を立て、対策を練ることが出来ます。

保育園プロポーザルまとめ

保育園関連の案件は、日本の未来を作る、「子ども・子育てに関する事業」です。

安心・安全に対する信用が特に重要視される分野ですので、導入実績を作ることで、自治体からの信頼も高まり、同業種案件の横展開にも繋がります。

自治体のパートナーとして、地域を盛り上げる企業が増えると、これからの日本も活気のある国になっていくでしょう。

もっと伸ばそう!自治体ビジネス無料資料ダウンロード

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事