長崎県の入札に参加したい!入札手続きや注意点など徹底解説

目次
はじめに
長崎県は、全国一離島のある県・全国有数の港湾県として大変特色のある県です。
歴史的に見ても造船業が有名な地域であり、令和元年は輸出船舶全国第一位でした。
特色のある長崎県の自治体ビジネス拡大を検討されている方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
自治体ビジネスを開拓する場合、まず入札について検討しますよね。
そこでここでは、
- 長崎県の入札の傾向を知るにはどうすればよいのか?
- 長崎県の入札情報はどのように調べるのか?
- 入札に参加するための事前準備は?
について徹底解説します。
是非、この記事を長崎県での自治体ビジネス拡大にご利用ください。
長崎県の入札の傾向を知るには?
そもそも地方自治体には、その土地ごとに特有の課題があります。
例えば、人口問題や、災害対策、伝統産業の保護などです。
その地域特有の課題を解決するために、選挙で住民に選ばれた知事や議員がプランを立てます。
そして、官公庁はそのプランに応じて、事業者に発注します。
そのため、入札など事業者に発注する内容には、地域の課題が反映されます。
長崎県はどうでしょう?
長崎県は、地形や歴史、産業などの面で大変特色のある県です。
他の地方自治体で入札経験のある方でも長崎県のニーズを把握しにくい部分があるかもしれません。
それではどうすれば、長崎県のニーズや入札傾向を知ることができるのか?
一番よいのは、長崎県の過去の入札結果を調べることです。
実際に過去の入札を調べてみると、例えば
- 具体的にどのような発注が行われているのか?
- どのようなライバル事業者がいるのか?
- 落札した事業者の特徴は?
- 落札した理由は?
などの、重要な情報を知ることができます。
入札結果はどこにある?
それでは、過去の入札結果はどこにあるのでしょうか。
実は「長崎県公式サイト」で公開されています。
長崎県など多くの地方自治体は、地域住民のために税金を使って、様々な業者へ発注を行います。
そのため、住民がいつもチェックできるように、公式サイトで情報を公開していることが多いのです。
しかしながら、入札結果を探す場合、検索ページが多くて混乱してしまうかもしれません。
長崎県公式サイトで入札結果を探す際、
✔︎ 分類によって検索するページが違う
✔︎ 担当する部局によって検索するページが違う
という点に注意しましょう。
まず、入札結果の分類は、大きく「建設工事・委託」「物品」「その他」に分かれます。
分類 | 内容 |
①建設工事・委託 | 高額で、工期も長期間です。住民の生活に大きな影響があり、さらに次世代にも残す大きな建設工事もあります。 |
②物品 | 建設工事に比べると価格は低めです。1年以内に消費するものが多いです。 |
③その他 | 業務委託や賃貸借など |
ひとつひとつ見ていきましょう。
入札結果のうち、①「建設工事・委託」に関しては、担当する部局によって、違う場所に情報が公開されています。
担当部局 | 入札結果が公開されている場所 |
土木部・農林部・水産部・環境部水環境対策課 | 長崎県 入札情報サービスポータルサイト |
その他の部局 | 長崎県公式サイトの各部局のページ |
土木部・農林部・水産部・環境部環境部水環境対策課は、建設工事や委託の入札が多いため、「長崎県 入札情報サービスポータルサイト」でまとめて案内されています。
それでは、「長崎県 入札情報サービスポータルサイト」を見てみましょう。
(出典 長崎県)
まず長崎県公式ホームページにある左側メニューの「入札・調達情報」をクリック。
(出典 長崎県)
「入札・調達情報」を開いたら、「建設工事のサイトへ」をクリックします。
(出典 長崎県)
「建設工事等の入札情報」を開いたら「長崎県入札情報サービスポータルサイトへ」をクリック。
(出典 長崎県)
右側の「入札結果へ」をクリック。
(出典 長崎県)
この検索システムで、希望の種類や場所などプルダウンメニューから条件を選んで検索してみてください。
土木部・農林部・水産部・環境部水環境対策課以外の入札結果については、件数が少ないです。
そのため、「〇〇部」の個別ページで紹介してあります。
もし探す場合は、ひとつひとつページを開いて確認しましょう。
②「物品」については長崎県公式サイトの「物品調達のサイト」でまとめてあります。
先ほど開いた長崎県ホームページにある「入札・調達情報」ページを開き、「物品調達のサイトへ」をクリックしましょう。
(出典 長崎県)
上記のページが出てきますので、左側の「入札結果一覧はこちら」をクリックすると、一覧表が出てきます。
③「その他」のうち「業務委託・賃貸借」については、長崎県公式サイトの「業務委託・賃貸借契約等のサイト」にまとめてあります。
手順はほとんど変わりません。
先ほど開いた「入札・調達情報」ページにある「業務委託・賃貸借契約等のサイトへ」を開くと、一覧表が出てきます。
入札結果の読み方
公開している入札結果には、入札傾向を分析するための重要な情報が含まれています。
例えば、
- どのような事業者が入札しているのか?
- 落札したのはどの事業者なのか?
- その入札案件で、落札できる上限価格や下限価格はいくらなのか?
などです。
これらを通して入札傾向についてより深く理解でき、落札・契約に繋がる方法が見つけ出しやすくなります。
入札結果の一覧表には、専門的な行政用語が使われているので、少しわかりにくく感じるかもしれません。
そこで、ここでは「工事」の「入札結果一覧表」を例に、入札結果の読み方をまとめてみました。
※物品、委託など分類によって少し表現が違う場合があります。
項目 | 内容 | 例 |
工事番号 | この入札案件についての個別番号です。 | 2単改第0000-0号 |
工事名 | この入札案件について長崎県庁でつけられた名前です。 | 一般国道000号道路改良工事(舗装工) |
工事期間 | この入札案件における工事の期間です。 | –日間 |
工事場所 | この入札案件における工事の具体的な場所です。 | 〇〇郡〇〇町〇〇 |
入札執行機関 | この入札案件を担当した部局や課・出先機関の名前です。 | 〇〇局 |
入札執行日 | 入札が行われた日です。 | 令和○年00月00日00時00分 |
落札決定日 | 落札者が決定した日です。 | 令和○年00月00日 |
設計金額 | 長崎県側が入札の上限価格や下限価格を決めるために参考にした金額です。 | – |
予定価格 | 落札における上限価格です。 | – |
最低制限価格 | 落札における下限価格です。 | – |
低入札調査基準価格 | この金額以上安い場合は、入札内容を調査するという金額です。 | – |
履行確実性評価価格 | 落札者が実際にその工事を行えるかどうか長崎県が算定した価格です。 | – |
履行確実性確保価格 | 落札者が実際にその工事を行えるかどうか、長崎県が算定した価格です。 | – |
基準評価額 | 落札者が実際にその工事を行えるかどうか、長崎県が算定した価格です。 | – |
一般競争入札で競争参加資格のない者の有無 | 競争参加資格がない者がいるかどうか書かれています。 | – |
入札方式 | 電子入札か紙入札かについてや、入札の種類などが書かれています。 | 指名競争入札
(電子入札) |
この他、入札結果一覧表には、入札に参加した事業者や落札した事業者の
- 商号または名称
- 所在地
- 代表者
についての情報も含まれています。
現在募集中の長崎県の入札案内はどこにある?
入札案内を調べるには、
1, 長崎県庁本庁や出先機関をまわり、各担当課で聞いてみる
2,オンラインシステムで調べる
という方法があります。
ここでは手軽なオンラインシステムでの調べ方を紹介します。
募集する入札の案内も同じく、入り口が大きく3種類あります。
「建設工事・委託」「物品」「その他」です。
それではひとつひとつ見てみましょう。
①建設工事・委託の入札案内
(出典 長崎県)
先ほど開いた「長崎県 入札情報サービスポータルサイト」を見てください。
左側に「発注見通しへ」と「入札公告等へ」とふたつあります。
発注見通しへ | 一定の金額を超える入札で、特別に事前公表されているもの |
入札公告等へ | 現在募集されている入札 |
(出典 長崎県)
「入札公告等へ」をクリックすると、検索ページが出てきます。
ご希望の条件を選び検索してみてください。
②「物品」
(出典 長崎県)
物品の場合は、先ほど開いた「長崎県出納局物品管理へようこそ」というページを開いてください。
左側の「入札予定一覧はこちら」をクリックすると、現在募集中の入札情報の一覧を確認できます。
③「その他」のうち「業務委託・賃貸借」
先ほど開いた、長崎県公式サイト「入札・調達情報」のページをもう一度見てください。
「業務委託・賃貸借契約等のサイトへ」をクリックすると一覧表が出てきます。
長崎県の入札に必要な事前準備
入札案内の中で良い案件を見つけた場合、すぐにでも入札に参加したいと思われるかもしれません。
しかし、入札に参加する前に、次の2つの事前準備が必要です。
✔︎ パソコンとネットワーク環境、ICカードの準備
✔︎ 入札参加資格の取得 |
準備1,パソコンとネットワーク環境、ICカードを揃えよう
電子入札を利用して入札に参加するには、そのシステムに適したパソコン環境、ネットワーク環境が必要です。
個人識別のためにICカード、そしてICカードリーダーを用意しなければいけません。
※パソコン環境やネットワーク環境、ICカードについては、長崎県により細かな変更が行われる可能性があります。
※入札準備を進める前に、最新のマニュアルで確認しておきましょう。
準備2,競争入札参加資格を取ろう
長崎県の入札に参加するためには、事前に審査を受ける必要があります。
具体的には、「もしも入札で落札し契約しても、その契約を達成することができる能力があること」を確認するためのもの。
審査のポイントは、長崎県の基準を満たしているかどうかです。
そして競争入札参加資格の審査には様々な書類を提出する必要があり、案件や企業の規模によって異なります。
その都度最新の情報を確認しながら、なるべく早めに準備しましょう。
※制度変更があるかもしれませんので、最新版のマニュアルを確認することをおすすめします!
まとめ
地方自治体は、発注先の事業者の過去の実績を重視します。
そのため、長崎県の入札に参加して実績を作ることは、他の地方自治体へのビジネス拡大の可能性を広げます。
注意するのは、
✔︎ 入札参加に事前準備が必要であること
という点。
入札参加は、書類作成などで、意外と時間がかかってしまいますので、是非とも早めの準備をおすすめします。