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稼げるまちづくりとは?プロポーザル案件の増加と勝ち方

地方創生という言葉をよく耳にするようになる中、「まちづくり」が、これからの日本が国全体の活性化を目指す中での重要なキーワードとなっています。

そこで今回は、各自治体が民間の力を借りて、力を入れようとしている「まちづくり」にフォーカスを当て、まちづくり案件の特徴とプロポーザルへの取り組み方について整理し、「稼げるまちづくり」に触れていきたいと思います。

まちづくり関連のプロポーザル」に興味がある方、これからプロポーザルを考えている方はぜひ最後まで読んでみてください。

目次

プロポーザルでいう「まちづくり」と「稼げるまちづくり」

プロポーザルでいう「まちづくり」と「稼げるまちづくり」

「まちづくり」とは?

「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を支えるためには、「まち」に活力を取り戻し、人々が安心して暮らす社会環境を作り出すことが必要です。

平成30年12月21日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略2018改訂版」に基づき改訂された、「稼げるまちづくりを支援する包括的政策パッケージ2019※」では、地方都市において、地域の「稼ぐ力」や「地域価値」の向上を図る「稼げるまちづくり」を推進し、まちに賑わいと活力を生み出し、民間投資の喚起や所得・雇用の増加等につなげることとしています。

稼げるまちづくりとは

「稼げるまちづくり」は、ひとの流れと活気を生み出す地域空間の形成が必要であり、その為に、民間の知恵・資金を活かした自立的・持続的なまちづくりを行い、地域への誇り・愛着の醸成と、これに根差した民間投資の拡大を目指すものです。

政府は、「地方創生推進交付金」などを通じて、この「稼げるまちづくり」を支援しており、取り組む自治体の増加に伴い、まちづくり関連のプロポーザル案件も増加傾向にあります。

内閣府地方創生推進事務局HP「稼げるまちづくりを支援する包括的政策パッケージ2019

稼げるまちづくりに求められる要素


「稼げるまちづくり」関連のプロポーザルに勝つために、抑えるべき要素が5つあります。

需要

  • 観光
  • 健康長寿
  • 新産業など

地域の中だけの需要だけでなく、地域外である隣町、他の県、外国まで大きな視野を持ち、潜在的な需要の掘り起こしや、新たな需要の創出が大事なポイントとなります。

地域資源

  • 地場産業・技術、伝統・文化、自然・景観等の地域の強み
  • ローカルブランディング、ローカル・イノベーション→?

その地域が持っている資源を把握することも大きな武器となります。

それを把握することで地域内外の需要や課題を解決するきっかけとなるでしょう。

人材・協働体制

  • 地方創生人材の確保・育成
  • PPP※1、自治体、まちづくり会社、商店街、経済団体、不動産・リノベ事業者、地域金融機関、NPO、地域住民等の協働体制

人材や協働可能な組織とは、すぐに協力を仰ぐこととできる重要なリソースと言えるでしょう。

人数や労働時間、組織の数、特徴などを正確に把握することで事業の幅がひろがるはずです。

資金

  • 事業性評価に基づく地域金融
  • ふるさと投資、クラウドファンディング、社会的インパクト投資※2
  • 不動産ファイナンス

その地域が持っている資産、資金、これから集められることのできる資金を把握することも重要となります。なぜならどれくらいの規模の事業をどれくらい長くできるのかなどを知る必要があるからです。

地域・空間

  • 空き店舗、空き家等の遊休資産の有効活用・リノベーションによる収益力向上
  • エリアマネジメント
  • コンパクト+ネットワークによる都市構造の再構築

これらの要素を抑えた上で、地域の強み・弱み、地域状況の変化やチャンス・リスクの客観的な把握・分析といった現状分析を実施し、分析結果を踏まえたビジョン・アクションプラン作り、KPIとPDCAの確立や情報発信など、戦略策定及び実行へとつなげるのが重要です。

※1 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ):官と民がパートナーを組んで事業を行うという、新しい官民協力の形態
※2 社会的インパクト投資:金銭的リターンと並行して社会や環境へのインパクトを同時に生み出すことを意図する投資

まちづくりプロポーザルに取り組む前に

まちづくりプロポーザルに取り組む前に

プロポーザルエントリーの検討する

上述した背景から、各自治体でまちづくりをテーマにした取り組みが増えてきており、今後もまちづくり関連のプロポーザル案件が増えてくるであろうと予想されます。

プロポーザル案件にチャレンジするにあたり、大切なのは勝てる可能性があるかどうかの見極めになります
自社で出来る案件ではなく、勝てる案件かどうかです。

チェックするポイントは大きく4つです

  • 参加資格があるかどうか
  • 参入障壁の種別と程度
  • 予算的に可能か
  • 自社にとって受託する価値があるか

これらを確認した上で、責任者がエントリーするべきかを総合的に判断する必要があります。

参入障壁の確認

参入障壁とは、仕様書やプロポーザル実施要領・入札説明書、見積書により、他社が入り込みにくくするための様々な要件のことです。

この参入障壁を理解することで、自社の強みあるいは弱点を知り、事前に準備することが可能になります。

参入障壁は、主に5つあります。

参加資格障壁:自社あるいは自社含め数社しか参加できないような参加資格要件

本社・本店の所在地や保有資格、技術者の保有資格、商品やサービスの特許などです。これらに「年数」や「数量」などを組み合わせ。

業務内容障壁:自社あるいは自社含め数社しか実施できない技術的要素を業務内容(仕様)に盛り込む

独自の技術や、他社に模倣できない製品仕様、独自の流通ルート、製品の特許などの組み合わせ。

評価基準障壁:他社より高い評価を獲得できる評価基準の配点構成とする

他社より類似業務の実績が多い、独創性、安定的な事業運営ができる体制、発注自治体の事業がわかっているなどの組み合わせ。

準備期間障壁:プロポーザル・入札公告から企画提案書提出・応札までの期間

他社が準備に間に合わないような、あるいは準備が難しい提出物、時間をかけて調べないと企画提案書を書けないような記載項目を設けるなど。

予算規模障壁:他社が実施不可能な価格の見積書

他社ができないような低価格な見積書の作成や、大幅に予算オーバーになる積算項目を設定するなど。

これらの参入障壁を確認することで、勝てない案件に無理に参入してしまうということを避けることができます。

まちづくりプロポーザル案件で勝つ為の4つのポイント

 

まちづくりプロポーザル案件の勝つ為のコンセプトワーク

プロポーザル案件に臨むプロセスにおいて、最も重要なのがコンセプトワークです。

コンセプトワークとは、「自社でなければならない理由」を決めることです。
自社だけでなく、競合他社も自治体の課題解決やニーズを満たした提案をしてきます。

いうことは、自治体の課題解決やニーズを満たした提案をするのは当たり前で、その中に「自社でなければならない理由」すなわち事業コンセプトを盛り込むことで、他社に勝てる提案となります。

「稼げるまちづくりを支援する包括的政策パッケージ」を理解する

各自治体におけるプロポーザル案件は、冒頭でも記載した「稼げるまちづくりを支援する包括的政策パッケージ2019」に基づいて起案されるものです。

よって、この概要を理解した上で、前述した「稼げるまちづくり」が求める5要素を盛り込みましょう。

内閣府地方創生推進事務局HP「稼げるまちづくりを支援する包括的政策パッケージ2019

地方自治体のまちづくりに関する行政計画の確認

プロポーザル案件の本質は、各自治体の課題解決です。

内閣府の政策と合わせて、各自治体における課題やニーズを把握する必要があります。その為には、まず仕様書や要領・様式などを読み込みましょう。

そして、案件の根拠となる行政計画などを公告文から拾い出して、「具体的にどのような地域課題があるか」「その地域課題の解決は重要な施策となっているか」などを情報収集します。

自治体側が重視している考え方は、要領・仕様書のなかに繰り返し記載されることが多く、そのキーワードの目的やどのような状況が実現するのかを見極めましょう。

自社でなければならない理由を見出す

プロポーザルで選ばれるためには、その会社でなければいけない明確な根拠が必要です。
その為には、自社でなければならない理由を見出すのが重要です。

まず、参入障壁に基づき、競合他社のどこがエントリーするのかを予測します。

前年度に類似事業を実施している場合は、受託業者は必ずエントリーすると考えて良いでしょう。競合他社のHPや、近年の自治体の受注状況などは確認しておきたいところです。

収集した情報と仮説・予測に基づき、「自治体が重視している点を満たし、かつ競合他社にできないこと、あるいは競合他社を上回る要素」を設定します。これが自社でなければならない理由となります。

特徴的なまちづくり取組事例を紹介

さいごに全国で、どのような取り組み事例があるか、見てみましょう。
各自治体の動きを知ることで、自社でまちづくり案件に取り組むイメージを高めることが出来ます。

特徴的なまちづくり取組事例を紹介①:広島県尾道市

特徴的なまちづくり取組事例を紹介①:広島県尾道市

〇遊休不動産再生による景観維持と若年移住者の起業促進による収益力の向上

<取り組みの背景・概要>

尾道市では、斜面地に家々が立ち並び、路地も細く、老朽化した家屋の建替えが困難となっており、空き家が増加しており、地元有志が、解体予定の民家を購入し、セルフリノベーションの過程をブログで発信したところ、全国から100人ほどの移住希望者が現れました。

NPO法人尾道空き家再生プロジェクトが主体となり、市と連携して様々な魅力をもつ建物が集積する尾道の景観を守りつつ、移住・定住・企業する若者を呼び込むため、100件を超す空き家・空き店舗を再生しました。

また、サイクルツーリズム等を核とした民間投資による新たな観光拠点の形成、夜間景観や食の魅力の創出等による観光交流の拡大を通じ、観光から移住につながる更なる人の流れの創出を目指しています。

<取り組みの主な成果>

約10年間で100件以上の空き家等を再生しています。
また、新たな観光コンテンツによる観光交流の拡大で、外国人観光客や女性等の新たな人の流れを創出し、宿泊者数が増加に繋がっています。

特徴的なまちづくり取組事例を紹介②:奈良県明日香村

特徴的なまちづくり取組事例を紹介②:奈良県明日香村

〇クラウドファンディングを活用した古民家リノベーションによる集客拡大

<取り組みの背景・概要>

明日香村は、飛鳥時代の歴史や文化を感じ取れる観光資源を数多く保有しており、日本で唯一、村全体が歴史的風土保存地区となっています。

その為、建築制限が厳しく、新たな宿泊施設を建設するのが難しいことから、宿泊施設が不足しており、観光客を受け入れる環境が不十分でした

そのため、明日香村商工会が観光協会等と共同して設立した「飛鳥ニューツーリズム協議会」が主体で、行政や大学等と連携し、体験プログラムを絡めた「民家ステイ」を受け入れてきたことで、おもてなし体制を整えてきました。

近年、田園での散策を楽しむ若者や、東アジアやヨーロッパからのツアーや一人旅が増えつつある背景から、若年層や外国人をターゲットにしたおもてなし事業として、㈱J-rootsが、クラウドファンディングを利用した資金調達による古民家リノベーションを行い、ゲストハウスとして地域の集客拡大に貢献しています。

<取り組みの主な成果>

平成23年度からスタートした「民家ステイ」事業は、村内の受け入れ体制の整備により、受入数が急増しています。

平成23年度   76名(うち海外からの受入れ0名)
平成27年度 3,758名(うち海外からの受入れ2,083名)

参考:稼げるまちづくり取組事例集「地域のチャレンジ100

5.まちづくりプロポーザルまとめ

「まちづくり」関連のプロポーザル案件は、自治体における地域課題の解決に直結するものが多く、今後もより力を入れていく分野です。

一度受注することが出来れば、それが自治体に対しての信用となり、他の自治体でも横展開出来る可能性が高まります

その為には、計画的にそして戦略的に案件に臨む必要があります。
社内の体制を整え、勝つための準備をした上で、チャレンジしましょう。

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