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徹底解説!事例で学ぶ展示関連プロポーザル攻略

これまで随意契約が多かった展示関連業務の案件ですが、ここ最近プロポーザルが増えてきています。背景には、地方自治体の在り方や、展示技術の発達などが想定されます。

展示プロポーザル案件の多くが、地方の美術館や博物館等の○○館と名称の付いた施設の展示物や、地域の交流に繋がる展示会などに係る業務となっています。

地方創生や地域交流人口を増やそうという時代の流れの中、運営が赤字となっている施設を改善し、その地域に来る人を増やすという目的を担うようになり、運営も意識した上で、民間の力を最大限活用するという方向性になってきているといえます。

また、これまでは展示物を置くだけで良かったものが、デジタルサイネージや参加型の展示など、技術の発展やニーズの変化などから、り展示の仕方によって魅力を伝えられることが求められるようになってきています

このように、展示関連プロポーザルが増えてきている中、どう攻略していくかについて、具体的な事例を基に勝つ為に押さえるべきポイントについて解説していきたいと思います。

事例で学ぶぼう、展示関連プロポーザル【小田原城歴史見聞館展示物等設計製作設置業務】

事例で学ぶぼう、展示関連プロポーザル【小田原城歴史見聞館展示物等設計製作設置業務】

様々な施設やイベントにおける展示関連のプロポーザルがありますが、その中でも多くあるのが、博物館などの展示物に関する案件です。今回は、小田原城歴史見聞館におけるプロポーザル案件について具体的にみていきましょう。

まずはプロポーザルにエントリーするかの判断を

プロポーザルに勝つためには、やみくもにエントリーしてはいけません。大切なのは勝てる可能性があるかの見極めです。

エントリーするにあたり、チェックするポイントが大きく5つあります。ひとつずつ具体的にみていきます。

ポイント① 参加資格は満たしている?

まずは参加資格を満たしているかどうかです。

『小田原城歴史見聞館展示物等設計製作設置業務 プロポーザル実施募集要領』を見てみましょう。

応募条件の中に、“地方自治法施工令第167条の4の規定に該当しないこと”とあります。プロポーザルに参加する場合は、この“地方自治法施工令第167条の4”は必ず押さえておきましょう。

これは、一般競争入札の参加資格について定められたもので、プロポーザルに参加する為には、この参加資格を満たしていることが前提となります。

参考:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bc2/002/open/documents/sekourei167-4.pdf

それ以外にも、“会社再生法に基づいた更生手続き開始の申し立てがなされている者でないこと”や、“地方税及び国税の滞納がないこと”、“反社会的勢力でないこと”など基本的な項目が定められています。

本案件の場合、最後に“過去10年間に、国・地方公共団体等が発注する展示面積400㎡以上の博物館もしくは博物館類似施設の展示設計製作業務を元請けとして受託した実績を有すること”とあります。

すなわち、過去に同案件に携わった実績がある企業でないと参加資格を有しないため、初めて参加する企業を排除するような仕掛けがしてあります。

これは、本案件を予算化する際に、どこか企業が入って参加資格を定めている可能性があるので、既に自治体との関係性で一歩リードする競合する企業があると思った方が良いでしょう。

ポイント② 業務内容は自社で対応可能か

次に業務内容について見てみましょう。

業務内容については、『仕様書』を確認します。

本案件の業務内容は大きく4つあります。

展示物設計業務」「展示物製作設置業務」「空調及び電気設備(消防設備含む)更新業務」「資料作成等補助業務」です。

これら4つの業務を自社で全てまかなえるに越したことはありませんが、業務内容によっては、自社のみでは難しいケースもあるでしょう。

その場合、実施要領にも定められているように、“連携協力事業者”と連携することが出来ま

ただし、連携協力事業者は応募者1者のみと連携し、複数の応募者の連携協力事業者となることは認めないとなっているので、もし自社のみでなく他の事業者と連携する場合は、早めにその業務が得意な業者を確保する必要があります。

この業務内容には、自社あるいは自社含め数社しか実施できない技術的要素が業務内容(仕様)に盛り込まれているケースもあるので、しっかりとチェックしましょう。

独自の技術や、他社に模倣できない製品仕様、特許・公的認証に基づく仕様などです。

ポイント③ 評価基準を確認しよう

続いて、評価基準についてです。これも、『仕様書』を確認しましょう。

こちらの案件は書類審査とプレゼンテーション審査の評価基準が異なり、企業を段階的に絞り込む段階評価パターンとなります。

注意点は2点です。

まず、書類審査において、合計得点が満点の60%に満たない場合は失格となる、ということ。

そして、応募が6者以上いた場合は、「小田原城歴史見聞館展示物等設計製作設置業務書類審査採点表」に基づく採点だけでなく、別紙「小田原城歴史見聞館展示物等設計製作設置業務プロポーザル採点表」のプロポーザルを除く評価項目により提案内容の審査を行い、上位5者をプレゼンテーション審査対象者として選定することです。

つまり、最低でも60点以上、かつ書類審査採点表だけでなく、プロポーザル採点表の評点も意識した構成で書類審査にのぞまないと、下手すると書類審査で落ち、プロポーザルに進めない、なんてこともあり得るということです。

また、業務内容でも触れましたが、より高い評点を得るために、あらかじめ組める企業と包括的基本協定を組んで、連携協力事業者として登録した上で、審査に臨むと効果的です。その為にも早め早めの行動が重要となってきます。

参考:http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/349048/1-20180419195320.pdf

ポイント④ 十分準備出来るスケジュールになっている?

ポイント④ 十分準備出来るスケジュールになっている?

そして、スケジュールです。

案件によっては、プロポーザルの公告から企画提案書提出・応札までの期間が短期間に設定されているケースがあります。

競合が関わっている場合、他社の準備が間に合わない、あるいは準備が難しい提出物を盛り込んだり、時間をかけて調べないと企画提案書を書けないような記載項目が盛り込まれているなど、スケジュールにより、他社の参入を防ぐ意図を持ったものがあります。

準備が間に合わないと判断できる場合は、プロポーザルに参入しないという判断も重要になります。

◇プロポーザルのスケジュール

公募受付開始 平成30年4月24日(火)
質問締切 平成30年5月7日(月)午後5時00分まで
質問に対する回答予定 平成30年5月11日(金)
参加申込書及び提案書等の締切 平成30年5月18日(金)午後5時00分まで
書類審査結果通知 平成30年5月25日(金)
プレゼンテーション審査 平成30年6月1日(金)

公募受付開始から提案書提出の締め切りまで約一か月、質問に対する回答から提案書の提出までが一週間となっています。

業務内容や提案書に盛り込む必須項目を確認した上で、十分に準備された提案書を作成出来るかを早期に判断し、プロポーザルに参入するかどうかを決定しましょう

ポイント⑤ 予算規模は妥当か

予算についても重要です。実施要領を確認すると、提案上限額が135,000,000円となっています。

業務内容からこの範囲で予算が収まるかどうか早期に見積もりを作ってみましょう。

そもそもこの業務を予算内に実施するにあたり、想定する利益に繋がらないのであれば、再度エントリーを検討した方が良いでしょう。

これら5つのポイントをチェックした上で、プロポーザルにエントリーするかを判断しましょう。自社にとって受託する価値があるか、管理者は総合的に判断する必要があります。

展示プロポーザル提案書の作成には、何よりも情報収集!

展示プロポーザル提案書の作成には、何よりも情報収集!

プロポーザルで他社に勝つためには、その案件が自社でないとならない理由が提案書に盛り込まれている必要があります。その為にも、情報収集は欠かせません。

情報収集のポイントについて触れていきたいと思います。

仕様書を見れば自治体の狙いが分かる!

情報収集の目的の一つは、「自治体のニーズ」を把握することです。この案件を通じて、自治体が何を求めているのかを把握し提案に反映させる必要があります。

では、仕様書を確認してみましょう。

仕様書の「7.展示物設計にあたっての留意事項」からいくつかピックアップしてみました。

  • 市民や国民旅行者はもとより、今後増加が見込まれる外国人観光客にも史跡小田原城跡や小田原北条氏の~
  • 城址公園内の他施設と重複しない内容であることはもちろんのこと、園全体で相乗効果が生まれリピーターが増える魅力的な展示や仕組みとし、その誘客効果が小田原のまち全体へ波及し、回遊性の向上や経済の活性化につながること。

キ. 館内の解説等は、日本語のほか、外国人観光客が利用できるよう、英語中国語、韓国語に対応すること。

サ.連携協力事業者の選定に当たっては、出来得る限り小田原市の地元企業を活用し、連携をとって業務を進めること。

これらから、今回のプロポーザル案件の目的が、小田原市への国内外の観光客の誘致や、地域企業の活性化を目指したものであることが見て取れます。

効果的な提案書を作成する為には、地方自治体の「総合計画※」や、「小田原市観光戦略ビジョン※」「小田原市まち・ひと・しごと創生総合戦略※」など、案件に関連のありそうな自治体の施策をチェックし、自治体の置かれている状況・課題を把握し、目指している方向に対して効果的に解決策を打ち出せるかが重要です。

参考:

小田原市総合計画:http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/vision/

小田原市観光戦略ビジョン:http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/report/kanko_vision.html

小田原市まち・ひと・しごと創生総合戦略:http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/tihousousei/p19318.html

競合他社の情報を手に入れよう

競合他社のホームページや、地方自治体のホームページ等で、近年の地方自治体での受注状況を確認することが出来ます。

それらを確認することで、案件の競合を予測します。情報開示請求で類似案件の競合他社の企画提案書を入手するのも効果的です。競合の強みと弱みを必ず把握してください。

収集した情報で、「自治体が重視している点を満たし、かつ競合他社にできないこと、あるいは競合他社を上回る要素」を導き出し、「なぜ競合ではなくて自社でなければならないのか」を盛り込んだ提案書を作成しましょう。

展示プロポーザルまとめ

どうでしょう。どのようなプロポーザル案件にも共通することですが、事前の準備や、戦略なくしては、展示関連のプロポーザルに勝つことは出来ません。

自治体のニーズを把握し、他社の動向を予測した上で、自社の強みや特徴を最大限に発揮することで、プロポーザルでの勝率が上がります。

ぜひ今回の具体事例から、自社が参入しようとしている案件に置き換えて、プロポーザルに勝つポイントを学び取っていただきたいと思います。

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