札幌市の入札制度総まとめ!入札手続きも徹底解説!

札幌市が提示している入札案件を確認する方の中には、
・地方創生に関するビジネスで利益を上げていきたい。
・市が困っている案件を解消することで、地方創生の役に立ちたい etc…
様々な思いを持った方がいるかと思います。
しかし、実際に市のホームページを見ると、入札手続きに関する情報が至る所にあり、どうすれば入札手続きができるのか、悩んでしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなお悩みを解消するため、札幌市の入札制度から、実際の入札手続きまで徹底解説していきます。
本記事を参考いただき、今後の活動の一助となれれば幸いです。
目次
札幌市の入札資格について
まず注意しなければいけないのが、誰もが札幌市の入札案件に対して自由に入札手続きが可能、というわけではございません。
当然のことですが、札幌市の入札案件に入札をしようとしても、入札参加資格が付与されていなければ入札手続きを行うことはできません。
そのため、まず初めに札幌市が提示している入札参加資格についてご紹介します。
入札参加資格とは
一言でいうと、「札幌市に申請し、審査を受けて資格を有すると認められたこと」を指します。
つまり、入札したい案件があっても、札幌市から入札参加資格を認められないと、入札すらできません。
地方方自治法及び地方自治法施行令で、競争入札に参加しようとする方の資格を定めることができる、とされています。
札幌市も、その法令にもとづいて入札参加資格を設けているのです。
そのため、まずは「入札参加資格審査申請」を提出し、札幌市から認定してもらうことが入札案件受注への最初のステップとなります。
では、入札参加資格申請の手順を以下にご紹介いたします。
札幌市の入札参加資格申請の手順
大まかな流れとしては、以下の申請方法となります。
1.札幌市のホームページより、「入札参加資格申請システム」にアクセスし、申請書を入力・送信を行う。
2.必要な書類を申請後、5開庁日以内に提出する。
注意点としては、ホームページの申請と、書類申請の2つが必要となることです。
また、ホームページから申請後、5開庁日以内に必要書類を提出しなくてはいけないため、まずは書類を準備してから申請を行うことをお勧めします。
では、次に札幌市が提示している「入札参加資格要件」について、ご紹介していきます。
札幌市の「入札参加要件」とは
入札参加要件とは、入札参加資格申請を行うにあたり、札幌市が設けている「条件」のことです。
この入札参加要件を満たさなければ、入札参加申請を行ったとしても不受理となる可能性が高いため、内容を把握しておくことが大切です。
入札参加要件には➀一般要件 ➁個別要件の二つがありますので、それぞれ分けてご紹介いたします。
➀一般要件について
一般要件については、ビジネスの場でなくても、我々個人が何か契約を結ぶ際、よく見る内容ではないかと思います。
例えば、以下のケースの場合は参加資格審査を申請することができません。
・会社の中に暴力団員がいる。
・暴力団が経営している会社。
・暴力団と関係を持っている。etc..
当然のことではありますが、札幌市のような地方公共団体が暴力団と関係のある会社と取引をすることはできません。
一般要件については、上記以外にもございますが、あくまで「常識として資格審査できない」者が対象となる内容です。
そのため、内容を一読する程度で、一般要件については問題ないかと思います。
では、次に個別要件についてご紹介します。
➁個別要件について
次に個別要件に関してですが、こちらは一般要件と違いより専門的な内容となっております。
具体的には、入札参加資格申請をする際、まずは札幌市が分類している「工事」「建設関連サービス業」「道路維持除雪」のいずれかを選択し、申請をする必要があります。
その際に様々な要件がありますが、「工事」を例に見ていきましょう。
■「工事」の場合
大前提となる条件として「建設業許可申請」を工種別に受けていることです。
各工種において、工事を遂行するのに十分な能力を認められていなければいけません。
※注意点「札幌市競争入札参加資格審査」に、以下のような記載があります。
「大分類「建設関連サービス業」のうち中分類「3 建築設計・監理業」、「4 土木設計・監理業」、「5 橋梁設計・監理業」又は「6 設備設計・監理業」のいずれかに申請又は登録をしていないこと。」
出典:追加登録申請受付(工事・建設関連・道路維持除雪)について
非常に重要で、かつ注意しなければいけない点であるため、申請の手引きに載っているそのままの文章を抜粋しております。
つまり、大分類で分かれている「建設関連サービス」のいくつかの項目に既に申請していた場合、大項目「工事」に入札参加資格申請をすることができません。
想定ではありますが、これは入札案件の依頼先が偏ってしまうことを避けるため、このようなルールを設けていると思われます。
上記注意点を踏まえ、どの大項目で申請するのが良いのか、まず最初に検討することをオススメいたします。
申請方法や、提出書類等は札幌市のホームページに記載がございますので、是非ご参考ください。
札幌市 入札参加資格審査申請はこちら
※入札参加資格の申請は、札幌市が提示するスケジュールで行われています。
ほぼ毎月行われていますが、申請スケジュールに注意して申請を行いましょう!
札幌市の入札案件の傾向について
広大な土地を有する北海道ですが、札幌市だけでどれだけの入札案件が提示されているのでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
上記グラフは、2019年に札幌市が入札案件として掲載したもので、かつ現在(2020年3月22日時点)入札が可能な案件を抽出したものです。(総計:1,128件)
札幌市が分類している「工事等の種別」ごとに抽出しますと、案件数として1位:電気 2位:土木 3位:建築となっております。
札幌市の入札案件の傾向として、電気と土木関係の需要が大きいことが分かります。
落札金額について
では次に、入札案件の落札金額についてです。
結果は以下のようになりました。
1位 B区分(予定概算額1,000万~5,000万):366件
2位 C区分(予定概算額3,000万~7,000万):339件
3位 E区分(予定概算額1億円以上~5億円未満):251件
出典:札幌市 入札情報サービスより作成
この3区分の合計で全体の8割以上を占めており、順位としては3位ですが、1億円以上の入札案件も一定期間抽出しただけで251件もあります。
ビジネスとして考えたときに、入札案件数や落札額は気になるポイントかと思います。
札幌市の入札案件の傾向を考えると、今後も注視していくべき地方自治体ではないでしょうか。
札幌市の入札手続きについて
入札参加資格まで札幌市より付与いただけたら、入札手続きを行うことができるようになります。
では、次に札幌市の入札手続きについて解説していきたいと思います。
札幌市の入札方法について
まず、入札方法についてご説明いたします。
入札方法としては、➀書類 ➁電子入札システムの2通りの方法がございます。
どちらの入札方法で入札手続きを行うかによって、札幌市のホームページ上でも異なるページで申請方法等が案内されています。
筆者が実際に上記2通りの入札方法を試したところ、インターネット環境がある場合は➁電子入札システムを利用することを強くお勧めしたいと思います。
理由として、電子入札システムはシステム上に多くの案件がまとまって見ることができるのですが、書類で申請を行う場合、入札案件情報がまとまったページがございません。
また、書類で申請を行う場合、各部局別に入札案件が掲示されているため、それぞれの部局のリンクページまでいかなくてはいけません。
例えば、以下画面キャプチャのように、書類による申請の場合はバラバラのリンク先となっております。
出典:「入札契約案件情報」より
電子入札システムを利用すれば、部局等は関係なく一覧で入札案件の検索が可能です。
今回の解説も電子入札システムに絞って解説させていただきます。
電子入札システムでの入札手続き全体の流れ
次に、札幌市が実施している「入札及び契約方法」で全体の7割を占める「制限付一般競争入札方式」をもとに、入札手続きの全体の流れについて解説させていただきます。
大別すると、全体の流れは以下3つのステップに集約することができます。
➀「一般競争入札参加資格申請書提出 」を提出する
➁入札書(見積リ書)を提出する
➂落札結果の受理
それぞれ簡単に解説させていただきます。
➀「一般競争入札参加資格申請書提出 」を提出する
初のステップとなりますが、まずは受注したい案件が見つかれば、電子入札システムより、入札参加申請書を提出する必要があります。
参加申請書提出期限内に提出することで、次のステップである入札書の提出が可能となります。
➁入札書(見積リ書)を提出する、➂落札結果の受理
入札参加資格申請書が問題なく受理された場合、入札書(見積り書)を提出し、競争入札が開始されます。
提出された入札書の内容から、札幌市が落札者の選定を行います。
その後、➂落札結果が受理される流れとなります。
また、さっぱ札幌市が電子入札システムの操作マニュアルも載せておりますので、併せてご参考ください。
入札手続きに必要な書類について
実際の入札手続きには、電子入札システムによる申請だけでなく、書類での申請も必要だと思われたのではないでしょうか。
実は入札手続きに関しては、書類の提出は必要なく、全て電子入札システム上で完結させることが可能となっております。
上記理由もあり、書類申請よりも電子入札システムを強くお勧めいたします。
まとめ
札幌市の入札制度や、入札手続きについて解説させていただきました。
一つの地方自治体である札幌市だけでも、様々な手続き必要になることがご理解いただけたかと思います。
また、札幌市は入札案件数も多く、ビジネスを考えている方にも札幌市は魅力的な地方自治体ではないでしょうか。
本記事が皆様の今後の活動の一助となれば、幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。