富山県の入札に参加したい!入札手続きや注意点など徹底解説

目次
はじめに
富山県は、自然環境と地域文化に大変恵まれた県です。
まず自然環境。
3,000m級の立山連峰や日本一深いV字型の黒部峡谷、水深1,000mを越える富山湾があります。
そして豊かな地域文化。
五箇所合掌造り集落はユネスコの世界遺産に登録されており、民謡やお祭りなど伝統を守り伝えている地域文化があります。
地形を見ても大変特徴のある県ですね。
農業用水利施設の積極的な整備によって日本一の水田率を誇るなど、日本有数の米所となっています。
このように自然と文化の豊かな富山県で、自治体ビジネスを開拓したいと思われる方は大勢いらっしゃるかと思います。
しかし、初めて富山県の入札に参加する場合は、さまざまな疑問が出てくるのではないでしょうか。
そこでここでは、
- 富山県の入札傾向を知るにはどうしたらいいのか?
- 現在募集中の入札情報はどうすれば調べられるのか?
- 入札に参加するための事前準備は?
について徹底解説します。
これから富山県での入札を検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
富山県の入札の傾向をつかむには?
日本の行政課題が話題になるときは、「東京(都市)と地方」と簡単に分けられがちです。
しかし一言に地方といっても、地域の特性は大きく違います。
例えば、
- 地形上の特性
- 気候上の特性
- 生きている動植物の特性
- 地域で生まれ、長い間継承されてきた文化上の特性
など。
そのぶん、地域ごとに直面している行政課題も異なります。
そして人口問題や災害対策、地域産業の活性化などの課題をみても、地域の特性が異なるために解決方法も同じとは限りません。
地域が直面している課題を解決するためには、選挙で知事や議員が地域住民に選ばれます。
当選した知事や議員が「地域住民の代表者」として方針を決め、官公庁の事務担当者がその方針のもとで事業者に業務を発注します。
つまり、事業者に発注する業務や入札にはその地域特有の課題が反映されることが多いのです。
富山県における入札傾向の調べ方
それでは、富山県の入札傾向を理解するにはどうすれば良いでしょうか?
効率的ですぐに使える方法は、富山県の過去の入札結果を調べること。
確かに、富山県が策定している総合計画や知事の演説からも知ることができます。
例えば「元気とやま創造計画-とやま新時代へ」などです。
しかしより具体的な入札傾向を知るには、過去の入札結果を調べることがおすすめです。
実際に過去の入札を調べてみると、例えば
- 具体的にどのような発注が行われているのか?
- どのようなライバル事業者がいるのか?
- 落札した事業者の特徴は?
- 落札した理由は?
などの重要な情報を知ることができるからです。
入札結果の情報はどこにある?
それでは実際に、入札結果をたどってみましょう。
ここで注意点。
富山県の入札結果を調べる際には3つの入り口があります。
分類 | 入り口 |
①公共工事・委託業務の入札 | 電子入札システム |
②物品・役務の入札 | 電子入札システム |
③公募型プロポーザル | 富山県の公式サイト「公募型プロポーザル」のページ |
※プロポーザルに関しては、公募型プロポーザル専用のページに「審査結果」と「案内」があります。
プロポーザルについて、詳しくは「プロポーザルと入札の違いは?コンペとの違いや特徴についても解説」を参考にしてみてください。
今回は、電子入札システムを使う「公共工事・委託業務の入札」について、過去の入札結果を調べる方法を説明します。
まずは富山県公式サイトを開いてください。
(出典 富山県)
トップページのメニューバー「産業・しごと」を開き、その次のページにある「入札情報」をクリック。
(出典 富山県)
入札情報ページの「電子入札システム」をクリック。
(出典 富山県)
次のページにオレンジ色の「公共工事・委託業務の電子入札のご案内」と青色の「物品・役務の電子入札のご案内」があります。
検索方法は同じですので、今回は「公共工事・委託業務の電子入札のご案内」をクリック。
(出典 富山県)
公共工事 電子入札システムを開いたら、左側にある<メニュー>の「入札情報サービスシステム」をクリック。
(出典 富山県)
入札情報サービス画面を開くと、「工事」と「委託」それぞれの「入札結果情報」がありますので、調べたい方をクリックしてください。
すると検索ページが出てきますので、条件を選び「検索」ボタンを押すと調べられます。
「②物品・役務の入札」も、基本的に入札結果を調べる操作は変わりません。
自治体ビジネスの可能性を広げるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
入札結果の読み方
入札結果一覧表には、多くの情報が書かれていますね。
行政の専門用語が多いため、わかりにくい部分もあるかもしれません。
そこでここでは、実際の入札結果の読み方を解説します。
※工事やコンサル、物品、役務など発注の分類により、多少表現が変わる場合があります。
項目 | 内容 | 例 |
案件番号 | この入札のシリアルナンバーです。 | 0000000 |
案件名称 | この入札の名称です。 | 〇〇浄水場 〇〇修繕工事 |
発注者 | 入札を行う担当の課です。 | 〇〇局〇〇課 |
入札結果 | 入札の結果、落札者が決定したのか、それとも決定せずに不調に終わったのか書かれています。 | 落札 |
結果登録日 | 入札結果が登録された日です。 | 令和00年00月00日 |
落札金額 | 落札金額です。 | -円 |
落札業者名 | 落札した事業者名です。 | (株)〇〇工業 |
落札業者住所 | 落札した事業者の住所です。 | 富山県富山市〇〇〇〇 |
工事場所 | 工事が行われた場所です。 | 〇〇市〇〇地内 |
工期 | 工事の期間です。 | 令和00年00月00日まで |
予定価格 | 落札者を決定する場合の、入札上限価格です。 | -円 |
最低制限価格 | 落札者を決定する場合の、入札下限価格です。 | -円 |
下の「入札経過情報詳細」「契約経過情報詳細」「指名理由等調書」をクリックすると、次のような内容が出てきます。
項目 | 内容 |
入札経過情報詳細 | ・どのような事業者が入札に参加したのか ・入札参加事業者が入札の時に提示した金額 |
契約経過情報詳細 | ・落札した事業者と富山県が行った契約内容 |
指名理由等調書詳細 | ・指名競争入札にした理由 ・随意契約にした理由 ・指名競争入札、随意契約でその事業者を選んだ理由 |
「指名理由」を読めば、富山県が指名競争入札で指名する基準などが読み取れることも少なくありません。
富山県での入札を検討している方は、今後の自治体ビジネス拡大のためにも参考にしてみてください。
現在募集中の富山県の入札案内はどこにある?
富山県の入札案内が書かれている場所は、富山県の分類に従い3つに分けられていますので注意しましょう。
分類 | 入り口 |
①公共工事・委託業務の入札 | 電子入札システム |
②物品・役務の入札 | 電子入札システム |
③公募型プロポーザル | 富山県の公式サイト「公募型プロポーザル」のページ |
※③の公募型プロポーザルは、富山県の公式サイトで確認してみてください。
①と②の検索方法は同じです。
今回は、①公共工事・委託業務の入札について説明します。
先ほど開いた、公共工事 電子入札システムの「入札情報サービスシステム」を開いてください。
(出典 富山県)
「発注予定情報」と「入札公告情報」があり、違いは次のとおり。
発注予定情報 | まだ正式な入札公告は出ていないけれど、今年度中の入札の予定について公表されています。 |
入札公告情報 | 現在発表されている入札案内です。 |
※物品・役務の入札の検索方法も、基本的に同じです。
気になる方はぜひ、両方とも検索してみてください。
富山県の入札で必要な事前準備
理想的な入札案件に出会っても、すぐに入札参加できる……という訳ではありません。
実は、少し時間のかかる事前準備が3つあります。
✔︎ パソコンとネットの環境を整える
✔︎ 競争入札参加資格をとる
✔︎ 暗証番号届を出し電子入札システムの利用者登録をする
ひとつひとつ説明します。
準備1. パソコンとネットの環境を整える
富山県の電子入札システムを利用する場合は、富山県が指定・推奨するものを選んで準備しなくてはいけません。
準備物は主に以下の3つ。
- ハードウェア、ソフトウェア
- インターネット 接続環境
- IC カード(電子証明書)、カードリーダ
ICカードは、入札参加者の個人識別をするために必要になります。
※システムは今後変更される可能性がありますので、必ず最新版のマニュアルを参考にしてください。
準備2. 競争入札参加資格を取ろう
意外と時間がかかるのが、競争入札参加資格の準備です。
競争入札参加資格の審査とは、「落札した後、契約を実行できるかどうかの能力」を審査します。
この審査には、さまざまな書類作成や公的書類の提出が必要になります。
事業者の規模などによって書類準備が変わりますので、最新版のマニュアルを熟読し申請することが欠かせません。
このときすぐに審査が通る訳ではなく、提出締切日などもあります。
時間に余裕を持って、審査を受けることをおすすめします。
また担当窓口が、業務によっても違います。
公式サイトの「入札参加資格者名簿の担当窓口について」を確認したうえで申請しましょう。
準備3. 暗証番号届を出し利用者登録をしよう
電子入札システムを使用するには、暗証番号届と利用者登録が必要です。
- 暗証番号届は、利用者登録の際に必要な暗証番号の設定のために提出するもの
- 利用者登録は、入札参加者のICカードを登録するために必要な作業
※システムは今後変更される可能性がありますので、必ず最新版のマニュアルを参考にしてください。
まとめ
今回は、富山県の入札傾向に関する情報の集め方、入札案内の探し方、事前準備などについて説明しました。
富山県の入札で注意するのは、次の3点です。
✔︎ 事前準備に時間がかかる
✔︎ 電子入札システムの稼働時間に制限がある
✔︎ マニュアルは常に最新版が必要
特に、初めて富山県の入札に参加する方が競争入札参加資格の審査を受けるときは、パスするまでに少し時間がかかるかもしれません。