横浜市の入札に参加したい!入札手続きや注意点など徹底解説

目次
はじめに
横浜市は約376万人の人口(令和2年6月1日)の政令指定都市であり、国家戦略特区として注目されている自治体です。
そのような横浜市での自治体ビジネス参入を考えている方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、初めて入札に参加するときなど、さまざまな疑問がありますよね。
そこでここでは、
- 横浜市の入札の傾向を知るにはどうしたらいいのか?
- 横浜市で現在募集されている入札について、どうすれば調べられるのか?
- 入札はどのような流れなのか?
- 入札に参加するための条件は何か?
について徹底解説します。
これから横浜市での入札を検討されている方は、今回の記事を参考にしてみてください。
横浜市の入札の傾向を知るには?
横浜市の入札の傾向を調べるもっとも簡単な方法は、過去の入札を調べることです。
地域にはその地域ごとに特有の課題があり、それらを解決するために選挙で選ばれた知事や議員が課題解決プランを提案しています。
そして地方自治体は、そのプランを実現するために必要な物やサービスを入札を通して発注します。
横浜市には横浜市の特性に応じた課題があり、横浜市の入札の傾向には横浜市の特性が現れることも少なくありません。
過去の入札では例えば、
- 具体的にどのような発注が行われているのか?
- どのようなライバル事業者がいるのか?
- 落札した事業者の特徴は?
- 落札した理由は?
など、重要な情報が把握できます。
入札結果はどこにある?
それでは、重要な情報が含まれている入札結果を調べるにはどのようにすればいいでしょうか?
(出典 横浜市)
横浜市公式サイトを開き、トップページの「事業者向け情報」をクリックします。
(出典 横浜市)
次に、「入札のとびら」を開いてください。
(出典 横浜市)
「入札・契約状況」をクリックします。
(出典 横浜市)
上の画像のように、「入札結果」は以下のふたつに分かれています。
- 工事
- 物品・委託等・設計・測量等
上記2つによって入り口が違いますので、該当する方をクリックしてください。
ここでは「物品・委託等・設計・測量等」の「入札結果」を開いてみましょう。
(出典 横浜市)
先ほどの「入札・契約結果」を開くと「検索画面はこちらです」という画面になります。
こちらをクリックすると、次のページが出てきます。
(出典 横浜市)
「年度」のプルダウンメニューで年度を選んで検索します。
「工事」も「物品・委託等・設計・測量等」も、検索方法は基本的に変わりません。
その他、ご希望の条件を入力したり選んだりして調べてみてください。
入札結果の読み方
横浜市が公開している入札結果の一覧表には、入札傾向を調べる上で重要な情報が書かれています。
例えば、
- どのような事業者が入札し、どのような事業者が落札しているのか?
- その入札案件で、落札できる上限価格や下限価格なのか?
などです。
これらを通して入札傾向についてより深く理解でき、結果として自社が入札するときの対策を考えられることも少なくありません。
またどれくらいの期間が金額がかかったのかわかり、計画なども立てやすくなります。
とはいえ、専門的な行政用語が使われているので、少しわかりにくく感じるかもしれません。
そこで、ここでは「入札・契約結果詳細(工事)」を例に、入札結果の読み方をまとめてみました。
※物品、委託、設計、測量など分類によって若干表現が違う場合があります。
横浜市の入札結果は、「契約結果」と「入札結果」に分かれます。
【契約結果】
契約結果は入札で落札者を決定し、さらに契約まで終了した情報のこと。
最終的な契約内容までしっかり書かれています。
項目 | 内容 | 例 |
契約番号 | この入札案件のシリアルナンバーです。 | 0000000000 |
発注担当課 | この入札案件のを担当する課や出先機関が書かれています。 | 〇〇区〇〇事務所 |
件名 | 地域住民の方々が後から見てもわかるような件名がつけられています。 | 〇〇管内〇〇修繕工事 |
履行場所 | 実際に工事などが行われる場所です。納品場所のこともあります。 | 〇〇管内一円 |
概要 | 大まかな内容について簡潔に書かれています。 | 〇〇修繕工 |
工種 | 横浜市で定められた区分です。 | 土木など |
契約日 | 契約した日です。 | 令和○年○月○日 |
履行期間 | 工事が行われる期間です。 | 契約日から令和○年○月○日まで |
契約金額(円) | 実際の契約金額です。 | – |
契約の相手方 | 契約した事業者の名前です。 | 株式会社〇〇など |
契約の相手方の所在地 | 事業者の住所が書かれています。 | 神奈川県横浜市〇〇区〇〇 |
入札参加資格等 | 入札参加資格の番号や、発注情報(入札公告情報)など書かれています。 | 令和○年○月○日 公告 横浜市調達公告(契約番号ー)の通り |
【入札結果】
主にこの入札案件で、どのような経緯で落札者が決定したのかについて書かれています。
項目 | 内容 | 事例 |
予定価格(税抜き:円) | 落札の上限価格です。 | – |
調査基準価格(税抜き:円) | 落札した金額が安すぎる場合に、この金額を下回る場合は調査するという基準です。 | – |
入札(見積)日
(電子入札の場合は開札日) |
入札を開札した日が書かれています。 | 令和○年○月○日 |
最低制限価格(税抜き:円) | 落札する下限価格です。 | – |
どのような事業者がいくらぐらいで入札し、どのような経過で落札者が決定したのかわかるように書かれています。
入札を検討しているときは、参考にしてみてください。
現在募集中の横浜市の入札案内はどこにある?
現在募集されている入札情報や、今後予定されている入札情報を集めたい場合、次のふたつの方法があります。
- 横浜市庁舎や出先機関をまわり、各担当課で聞いてみる。
- オンラインシステムで調べる。
方法としては、2.のオンラインシステムを活用する方が、楽に調べることができます。
(出典 横浜市)
横浜市公式サイト(トップページ)から「事業者向け情報」を開き、「入札のとびら」を開き、「入札・契約情報」をクリックします。
(出典 横浜市)
「入札・契約情報」には3つの入り口があります。
入り口 | 内容 | |
「工事」 | 「発注情報」 | 現在募集中の「工事」に関する入札情報です。 |
「発注見通し」 | 今年度予定されている「工事」に関する入札情報です。 | |
「物品・委託等、設計・測量等」 | 「発注情報」 | 現在募集中の「物品・委託等、設計・測量等」の入札情報です。 |
【工事】
それでは「工事」の「発注情報」を見てみましょう。
(出典 横浜市)
「発注情報検索(工事)画面へ」をクリックします。
(出典 横浜市)
上記のようなページが出てくるので、検索条件に希望の条件を入力・選択してください。
【物品・委託等、設計・測量等】
次は「物品・委託等、設計・測量等」の「発注情報」を見てみましょう。
(出典 横浜市)
「発注情報(一般競争・公募型)」をクリックします。
(出典 横浜市)
発注情報検索(物品・委託等及び設計・測量等)の「年度」を入力し、検索してみてください。
検索条件に希望の条件を入力・選択することで、より詳しく知ることも可能です。
横浜市の入札の流れ
横浜市の入札はどのような流れで進むのでしょうか?
そもそも入札は、次の原則を守るために作られた制度です。
✔︎ 競争性
✔︎ 透明性 ✔︎ 公平性 |
入札は、国の法律や横浜市の条例や規則などで決められている方法で進められます。
主に、
- 一般競争入札
- 指名競争入札
- 随意契約
の3つです。
※入札案件により少し変更されることがありますので、ご注意ください。
ここでは代表的な「一般競争入札」について説明します。
①競争入札参加資格申請を行う。 | 入札に参加するためには、入札に参加するための一定の基準を満たす必要があります。横浜市の入札参加基準を満たしている事業者を名簿に登録します。 |
②入札の公告をする。 | 一般競争入札では広く参加者を募ります。 |
③入札する。 | 入札参加者が、金額や条件などを記載し入札します。 |
④落札者を決定する。 | 入札の中から、最も条件の良い事業者を落札者とします。落札者の選び方は、あらかじめ決められた通りに行います。 |
⑤契約をする。 | 横浜市と落札者が契約します。 |
※入札の流れも、入札案件によって少し変更されるため、ひとつひとつの案件の流れを確認しましょう。
横浜市の入札に必要な事前準備
横浜市の入札案内の中で、良い案件を見つけたとしても、そのまま参加できる訳ではありません。
横浜市で決められた次の2つの事前準備が必要になります。
✔︎ パソコンとネットワーク環境、ICカードを揃える
✔︎ 入札参加資格をとる |
1つずつ説明しますね。
準備1.パソコンとネットワーク環境、ICカードを揃えよう
横浜市の入札システムを使って入札に参加するには、そのシステムに適したパソコン環境、ネットワーク環境が必要です。
個人識別のためにICカード、そしてICカードリーダーを用意する必要があります。
※パソコン環境やネットワーク環境、ICカードについては、横浜市により細かな変更が行われる可能性があります。
※入札準備を進める前に、最新のマニュアルで確認しておきましょう。
パソコンとネットワーク環境、ICカードなどが揃ったら、次に進みます。
(出典 横浜市)
横浜市の公式ホームページから「入札のとびら」まで進み、「電子入札」をクリックします。
(出典 横浜市)
「横浜市電子入札システムログイン」をクリックし、利用者登録に進んでください。
準備2.入札参加資格を取ろう
横浜市の入札に参加するためには、事前に審査を受ける必要があります。
具体的には、「もしも入札で落札し契約しても、その契約を達成することができる能力があること」を確認するための審査です。
審査のポイントは、横浜市の基準を満たしているかどうか。
そして競争入札参加資格の審査には、様々な書類を提出する必要があります。
必要書類は案件や企業の規模によって異なりますので、その都度最新の情報を確認し、なるべく早めの準備をお勧めします。
次は、資格審査申請の流れを見ていきましょう。
(出典 横浜市)
「入札のとびら」を開き、「資格審査申請」をクリックします。
(出典 横浜市)
「入札参加資格申請について」の「お知らせ」を読みます。
スクロールすると「資格審査申請システム入り口」がありますので、クリックしてください。
※受付期間に注意して時間に余裕をもって間に合うように準備しましょう!
※制度変更があるかもしれませんので最新版のマニュアルを確認することをおすすめします!
まとめ
今回は、横浜市における入札について解説しました。
横浜市の入札に参加して業績を作ることは、その他の自治体へのビジネス開拓にも繋がります。
しかしながら、今回紹介したような事前準備が必要です。
✔︎ パソコンとネットワーク環境、ICカードを揃える
✔︎ 入札参加資格をとる
書類を集めたりパソコン環境を整えたりと、意外と時間がかかってしまうかもしれません。
そのため今回の記事を参考にしながら、是非とも早めの準備をおすすめします。